兵庫教育大学 情報処理センター
Information Processing Center
Hyogo University of Teacher Education
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今月のコラムは,「フォントって?」と題して,生活健康系保健体育分野の高田さんに執筆いただきました。「フォントって?」
○ビットマップフォントとアウトラインフォント
Macなどのコンピュータで使用されるデジタルフォントには,種類の異なる「ビットマップフォント」と「アウトラインフォント」の2つがあります。曲線部分がギザギザになってしまう文字がビットマップフォント。曲線部分がきれいな文字がアウトラインフォント。きれいな文字をプリントするには,アウトラインフォントが必要となります。
ビットマップフォントは文字の形を点(ドット)の集まりとして持っており,その文字の画面表示や印刷は細かな点の集まりで構成されています。そのため,画面への表示やプリントは速いが拡大しての表示や印刷などでは文字がギザギザになってしまいます。DTP(Desktop Publishing)に使用する上で,これは致命的な欠陥とも言えるでしょう。
一方アウトラインフォントは,文字の形を数学的な関数,つまり正確な文字の形を曲線のデータとして持っています。そのためギザギザの出ない,きれいに湾曲した線を表現することが可能であるし,拡大や縮小をしても文字デザインを崩すことなく出力できます。しかし,アウトラインフォントは関数であっても,画面表示とプリントアウトはドットの情報に変換(ラスタライズ)する必要があり,その処理に時間が必要になります。○DTPには「PostScript」
さらに,現在使われているアウトラインフォントには,大きく「TrueTypeフォント」と「PostScriptフォント」の2つに分けられます。
TrueTypeフォントは,Apple社が開発しMicrosoft社にライセンスしたフォント。フォントの種類も多く価格も(後述するPostScriptに比べて)廉価,QuickDrawプリンタでも出力可能と,一般ユーザー向き。その反面,最終的に直接フィルムや印画紙などに印字するイメージセッタを利用するDTPで使用することはできません。イメージセッタはPostScriptにのみ対応しているからです。
一方PostScriptフォントは,AdobeSystems社が開発した「Page Discription Language:PDL:ページ記述言語」を基に開発されたフォント(Type1とも言う)。「3次ベジェ曲線(どんな複雑な曲線も作れる,4つのコントロールポイントを持った線)」で曲線データが作られており,TrueTypeフォントで使用されている「2次スプライン曲線」に比べ自由度が高いのがTrueTypeフォントとの大きな違いとなります。○PostScriptフォントとATM
PostScriptフォントはプリンタにダウンロードして使用します。PostScriptフォントをプリントできるPostScriptプリンタは,Mac同様CPU,メモリ,ハードディスクで構成され,ハードディスク,またはROMにフォントのアウトラインデータがあり,CPUとメモリはアウトラインデータをラスタライズする計算処理のために必要となります。プリンタにアウトラインデータを記録させ,ラスタライズの処理をプリンタ側に行わせることにより,印字速度の向上を実現しているのです。
またPostScriptに対応したフォントとなるATM(Adobe Type Manager)フォントは,PostScriptフォントを画面表示とプリント出力の両方に使うために開発されたシステム。PostScriptフォントを使うときれいな文字が出力可能だが,実際にMacの画面に表示される文字はビットマップで表現されるためギザギザになります。そこでATMによって,画面でもPostScriptのアウトラインデータを表示できるようにしたのです。さらにATMフォントは,プリンタフォントのないフォントをラスタライズして出力することもできます。ただしラスタライズはMac側が行うため,プリントにはプリンタフォントがある場台に比べ時間がかかってしまいます。○これからのフォント
TrueTypeフォントとPostScriptフォントの大きな違いは曲線データの種類と,基本的なラスタライズを行う場所,そしてDTPに使用できるかどうかということです。この両フォントが現状で主に使用されているフォントであり,フォントの基礎といっても過言ではありません。しかし,フォントも進化しています。このような基礎を踏まえ,CID,PostScript3やQuickDraw GXなど「最新フォント事情」については,今後レポートすることで今回は終了させていただきます。 *
「電脳的役割関於研究」の第2回目です。今回は社会系地理分野の南埜が担当いたします。
今回は研究の各段階で私自身がコンピュータをどのように利用し,どのようなアプリケーションソフトを使用しているかを以下に示したいと思います。○先行研究
・まずは研究テーマに関する先行研究を行います。その際に利用するのが,文献データベースです。地理学の場合,地理学文献目録(古今書院)があり,CD-ROMに過去10年間の地理関係の文献が納められており,そこからキーワードで,文献を調べることができます(このデータはテキストファイルで入っていますが,検索にはExcelなどを用いて行います)。また本学をはじめ,大学の図書館ではインターネットを通じて文献検索できるシステムを入れている図書館が多くあります。特にそれぞれの分野の先端的な研究がなされている大学や基幹大学の図書館での検索は実りが大です。インターネットを利用するには,教官については各研究室の情報端末(私の場合はMacintosh LC575),学生についてはNewsletter No.19に示した学生が利用可能な情報端末(http://www.info.hyogo-u.ac.jp/newsletter/newsletter9806.htmlを参照)を利用して下さい。図書館のホームページを見るためのアプリケーションソフトはNetscape Navigatorを使用しています。最近は手の込んだホームページが増えているので,この手のアプリケーションは最新のものに更新しておくのが良いでしょう。他に学術情報センターの文献データ検索NACSIS Webcat(http://webcat.nacsis.ac.jp/)も便利です。そこで見つかった文献の入手にあたっては,本学の図書館を通じて請求しています。教官については図書館に登録しておけば研究室の情報端末から請求が出来ます(この利用については,図書館管理係(jim-2060@office.hyogo-u.ac.jp)にお問い合わせ下さい)。約1週間くらいで文献が手元に届きます。
・収集した文献は,データベースソフト(私の場合はFile Maker pro)に登録し,個人の文献データ・ベースを作成し,保管しています。
○資料収集・フィールド調査
・地理では人口統計をはじめ様々な統計を用いますが,これらのデータも最近ではCD-ROMで配布されており,データをいちいち入力する手間が要らなくなっています。もっとも基本的な統計である国勢調査のデータもCD-ROMで提供されています。本学の図書館では,農業関係の基本統計である農業集落カード(兵庫県分)のCD-ROMが利用できます。また地図情報としては,国土地理院から数値地図が発行されています。
・海外の調査では,ノート型パソコン(Macintosh PB150)を持ち込み,収集したデータを現地で表計算ソフト(Excel)に入力・分析を行い,さらに現地の調査に活かすことが出来るようになりました。また現地調査と並行しての論文の下書きや現地での公文書作成の際に,ワープロソフト(EG-Word)が活躍しています。なお現地での印刷は,ノート型プリンター(Apple Style Writer 2200)を使用しています。
○分析
・入手したデータは,主にExcelを使用して,データを加工し分析します。また本学の情報処理センターでは代表的な統計パッケージソフトであるSASが用意されています(SASの利用には専用サーバへのユ−ザ登録が必要です。手続きについては,情報処理センター事務室(office@info.hyogo-u.ac.jp)にお申し出下さい。なお,(http://www.sci.hyogo-u.ac.jp/~sci0/sas.html)に簡単な説明があります。
○論文の作成
・文章についてはEG-Wordを,表についてはExcelを使用して,作成します。図については,作図ソフトであるIllustratorを使用しています。まず原図をスキャナ(ヒューレットパッカードScanJet 3C)で読み込み,読み込んだ図を下絵としてIllustratorの中でトレースし,作成します。このトレース作業ではペン・タブレット(ワコムUD-1218II)を使用しています。コンピュータでの作図は修正が容易であることから,一度ベースマップを作成しておけば,それをもとに多様な主題図を簡単に作成することができます。
○論文の完成
・個別に作成した文章,表,図を一つにまとめ論文の形にする際に使用するのがDTPソフトです。代表的なDTPソフトとしてPage Makerがあります。Page Makerや先のIllustratorは高価であるため,個人で購入することは難しいですが,いずれも情報処理センターの共同利用アプリケーションとして用意されています。また情報処理センターでは,今回紹介のあったポスト・スクリプト対応のプリンタも用意されています。それらを使用すれば,そのまま印刷の原版として使用できる原稿を容易に作成することができます(共同利用アプリケーション,プリンタの利用には,利用登録が必要です。手続きについては,情報処理センター事務室(office@info.hyogo-u.ac.jp)にお申し出下さい)。なお,図などは1つ1つのファイルの容量が大きいため,すぐにフロッピーディスクの容量を越える事態に直面してしまいます。その際にはMO(容量は230MB,640MBなど)などの外部記憶装置を使用するのがお薦めです。
地理学では,最近,数値データと空間データを統合するGIS(地理情報システム)に関する議論が盛んに行われています。GISは教育,とくに総合的な学習にも応用できるツールであります。来年の2月に導入される次期情報処理センターコンピュータシステムでは,GISの代表的なアプリケーションソフトであるARC/Viewが導入される予定です。導入されましたら,是非,活用したいと思います。 *
次期情報処理センターコンピュータシステムは6つのシステム(基幹運用システム・学術研究システム・学術情報システム・教育情報処理システム・情報教育実習システム・情報端末システム)で構成されています。今月号より,個々のシステムについて紹介いたします。まず最初に,皆さんの関心の高い情報端末システムについて紹介したいと思います。情報端末システムは以下の2種類のシステムが導入される予定です。○情報端末(Windows機)○情報端末(Macintosh機)
- 機種名:Fujitsu FM V-5233 NU/W
- 基本OS:日本語 MS‐Windows98
- CPU:MMX Pentium(R)プロセッサ233MHz
- メモリー容量:64 MB
- ハードデスク容量:3.2 GB
- 主なアプリケーション:MS-Office,AL-Mail32,Netscape Navigator,CentreNet AT/TCP32
- 機種名:Macintosh PowerBook G3 233/12″
- 基本OS:Mac OS8バージョン8.1
- CPU:PowerPC G3 233MHz
- メモリー容量:64 MB
- ハードデスク容量:2 GB
- 主なアプリケーション:MS-Office,Eudora-J,Netscape Navigator,Telnet,電子ニュース *
本学20周年記念事業の一環として,以下の要領で,センターにある機器やセンターで出来ることなどについて,具体的にパネルによる展示を行いますので,是非,足をお運びください。・日時:10月23日(金) 9:00〜17:00
24日(土)10:00〜14:00
・場所:情報処理センター
・内容:パネル展示
(1) 学内ネットワーク
(2) 情報処理センター施設
(3) 情報処理センター設備 *
情報処理センターでは,10月に「UNIXの基本操作に関する講習会」と「統計処理パッケージソフトSASの講習会」を計画しています。
日程等が決まりましたら,WWW及び掲示にてお知らせしますので,情報処理センターのホームページ又は所定の掲示板にてご確認の上,ふるってご参加下さい。
今後もみなさまのご要望に合わせた講習会を実施したく考えております。講習会についてのご要望をお寄せ下さい。 *
情報ネットワークを利用するにあたって生じたご質問やご要望は,電子メールでお寄せください。
・宛先:q@info.hyogo-u.ac.jp記入事項:
- 氏名,所属,電話番号
- 使用端末機種,使用ソフトウエア,等
- 質問事項(なるべく具体的に)*