兵庫教育大学 情報処理センター
Information Processing Center
Hyogo University of Teacher Education
e-mail : office@info.hyogo-u.ac.jp
tel : 0795-44-2044
fax : 0795-44-2045最新号 : http://www.info.hyogo-u.ac.jp/newsletter/newsletter.html
既刊号 : http://www.info.hyogo-u.ac.jp/newsletter-j.html
兵庫教育大学のキャンパス情報ネットワーク(HUNET) システムは,兵庫教育大学の構成員が電子メール,電子ニュースや WWW,情報検索等のインターネットを通じたサービスを活用できるように,情報処理センターが運用し,利用料金なしで提供している計算機ネットワークシステムです。
本システムの利用者として登録されると,世界中で通用するインターネット上の電子メールアドレスを持つことになります。
各個人がオープンなネットワークであるインターネットへ直接参加することになるので,利用にあたっては十分なモラルとセキュリティへの配慮が必要です。今回は,「電子メールを使う際のネチケット」について,「実用編」,「モラル編」とにわけて整理してみました。
(1)実用編
実用編その1−メールの性格を理解して−
□必ず相手に届くとは限りません。
電子メールは便利な通信手段ですが万能ではありません。メールは相手に必ず届くことは保証されてはいません。途中のネットワークや双方のサーバの故障,停電や点検のための停止などによる障害がありえます。また,届いたメールを相手がすぐに見てくれないことも考えられます。□電子メールの機密保持は完全ではありません。
現在の電子メールは暗号化されていません。電子メールはネットワークを通して配送され,複数のコンピュータを経由します。途中でメールの内容が第三者に読まれないという絶対的な保証はありません。
万一の場合に他人に見られて困るような内容は電子メールで出さない方が安全です。実用編その2 −メールを正しく,読みやすい形で届けるために−
□返信先が意図した正しいアドレスなのか確かましょう。
メール・ソフトウェアの返信機能を使って返事を出す場合,返事のメールの編集が終ったら,送る前に一度,宛先(To: Cc:)をチェックしましょう。
他の人にも送るような設定になってませんか? もし,まちがった人に送ると迷惑を掛けるばかりでなく,あなたが知らせたくない情報が伝わってしまうかも知れません。□内容を簡潔に表したSubject(題名)を付けるように心掛けましょう。
短時間でたくさんのメールに目を通す必要がある人も多いのですが,ファイルを開いて読まないと内容は分かりません。メールに題名が付いていると,メールを開く前に一目で用件がわかりますし,あとの整理も楽です。
題名に漢字を使った方が内容を簡潔に表すことができますが,文字化けして読めなくなることもあるので,相手が漢字の題名を読めることがわかっている場合以外は,alphabetを使うのが無難です。□必要な場合は相手の文章を引用しましょう。ただし,引用は必要十分な程度に短めに。
直接対話できる電話と違い電子メールでは時間差が生じるため,どのような事柄に対する返事なのかを明らかにしないと文意がわかりにくくなる場合があります。相手の文章を引用するといいでしょう。
相手の文を引用して述べる時は,関係ない部分まで引用しても論点が見づらくなるだけなので必要な部分だけを引用するようにしましょう。
場合によっては,内容の改変にならないかぎり,一部を取りだしても構いません。しかし,あまり引用部分を短くすると,相手の文意が正しく伝わらないことがあるので注意しましょう。実用編その3 −相手をこまらせないために−
□本文中に特殊な文字を使うのはやめましょう。
受け取り手がどのようなメーラや端末を使っているかはわかりません。書いた人には読める文字でも相手が見ると空白だったり,違う文字として表示されてしまう場合があります。また,最悪の場合は相手のメーラが動かなくなることもあります。
「半角カナ」(1byteカナ)や丸数字などの機種依存文字は文字化けします。
なお,コンピュータで用いられる漢字コードには,シフトJIS,JIS,EUCなどいくつかの種類があります。電子メールではJISコードを使います。ただし,メーラやサイトの設定が正しくできていれば,ユーザは通常は漢字コードを気にする必要はありません。□非常に大きなサイズのファイルは送らない。
50KB以下あるいは1000行以下を目安にし,それを超える時はファイルを分割します。そうでないと,途中で切れたり相手方や経由するサイトに迷惑をかけたりする場合があります。
学内に送信する場合は別として,添付書類として送るファイルのサイズにも注意しましょう。実用編その4 −出してから,「しまった!」と後悔しないために−
□相手の立場になって,読み返しましょう。
文章を入力する際の誤変換に気が付かないことがよくありがちです。「標語脅威苦大学」ではあまりですよね。
また、直接顔を見て話している場合には通じる微妙なニュアンスはメールでは通じません。それまで一面識もない相手にメールを書く場合もある筈ですが,相手の状況や環境もわからず,相手には貴方の常識が通じないことも多いのです。出した側の意図に反して相手が傷ついたり怒ったりすることがあります。
一度送ったメールを取り消すことはできません。出すまえに、相手の立場になって読みなおしましょう。□ムカッときたら,一晩おいてもう一度読み返しましょう。
おもわずムカッとくるようなメールを受けとることもあります。でも,怒りにまかせて売り言葉に買い言葉のメールを出すのはやめましょう。相手の意図をあなたが読み違えていることも無いわけではありません。ムカッときたら一晩おいてもう一度読み返しましょう。(2)モラル編 −メールのタブー集−
□許可なく第三者からメールの引用をしない。
メールも著作物です。第三者のメールを引用するのには注意が必要です。プライバシー保護の意味からも,あなたあてに来た第三者からのメールを無許可で引用してはいけません。□chain mailを出さない、転送しない。
chain mailとは,「不幸(幸福)の手紙」のように別な数人の人に転送を強要するものや,回覧メールのように不特定の多数に転送を依頼するメールのことです。
不幸の手紙のように受けとる人に迷惑がかかるものを投函してはいけないのは勿論ですが,たとえ有用なメールであっても,chain mailはネットワークに多大な負荷を掛け,場合によってはネットワークの機能を麻痺させてしまうので,絶対にやってはいけないことです。
あなたがわずか数名の人に転送しただけでも,受け取った次の人もそれを繰り返すので,流通するメールの量は指数関数的に増えていき,瞬く間にネットワークの許容量を越えてしまうことになりかねません。何回も同じメールを複数の人から受けとることも多く,発信元が明らかな場合は問いあわせや苦情のメールでそこのネットワークはパンクし,肝心の情報が届かなくなりします。□デマを信じない、転送しない。
「コンピュータウィルスに関する重要な情報」などが転送されてくることがあります。何人もの間で転送されたあとがあり,途中誰を経由したかはわかりますが,肝心の第一発信者が不明だったりします。こういうものは大抵デマです。デマを迂闊に信じないようにし,また,chain mail化する危険性もあるので絶対にそのまま転送してはいけません。
受けとった情報がデマかどうか判断するには、情報の第一発信者が明記されているかどうかを確認してください。不安な場合は,ネットワークの管理者に問い合せをしてみるか,別なルートで真偽を確認してください。□相手にマナーを要求しない。
自分の常識を他人にも要求するのは避けましょう。「自分に厳しく相手には寛大に」,これがストレスを最小限にしてメールの交換をうまくやっていく秘訣だそうです。(動物行動学的には,逆に「相手に厳しく自分に甘く」が長生きするための秘訣だそうですが。)以上の記述には,金沢大学の岩崎 宏さんのホームページ Tips for E-Mailを参考にさせていただきました。
<参考文献>
ネチケット・ホームページ (http://www.edu.ipa.go.jp/mirrors/togane-ghs/netiquette/index-j.html)
Tips for E-Mail 縮約版(http://www.ed.kanazawa-u.ac.jp/~iwasaki/Tips/)
Tips for E-Mail (http://www.ed.kanazawa-u.ac.jp/~iwasaki/Tips/tips.html)
「エシックス 高度情報化社会のネチケット」武藤佳恭著 共立出版 \1,200
「ネチケット-ネットワークのエチケット-」 バージニア・シャー著 ひつじ書房刊 \1,545
(文責 木原 寛) *
以下の講習会を開催いたします。ふるってご参加下さい。★電子メールの使い方 −Windows上でのWinbiff利用法−★
日時:4月23日(水)13:00〜14:30
内容:メールソフトWinbiffによる電子メールの機能と使い方の全般について
場所:情報教育実習室2(EPSONルーム:情報処理センター1F)
対象:本学の教職員及び学生
講師:森広浩一郎(情報処理センター)
参加募集人数:31名
申込受付期限:4月21日(月)まで
特記事項:受講者は当日FD(3.5インチ)1枚を持参のこと★電子メールの使い方 −Mac上でのEudora利用法−★
日時:4月23日(水)15:00〜16:30
内容:メールソフトEudoraによる電子メールの機能と使い方の全般について
場所:情報教育実習室1(Macルーム:教育・言語・社会棟1F)
対象:本学の教職員及び学生
講師:森広浩一郎(情報処理センター)
参加募集人数:32名
申込受付期限:4月21日(月)まで
特記事項:受講者は当日FD(3.5インチ)1枚を持参のこと○申込は情報処理センター事務(内線2044)まで。
なお、ネットワーク上での受付も試行中です。
★Home pageからの申込:当センターのホームページ(http://www.info.hyogo-u.ac.jp/office/lecture-j.html)
上の申込フォームに必要事項を記入してください。
★E-mailでの申込み :*
昨年度末の学内停電明けに,HUNETが使用できなくなるというシステムトラブルがありました。3/17(月)の朝に発見されたトラブルは,学内および学外どちらの通信もできない,というものでした。ネットワーク通信の不良でご迷惑をおかけいたしました。
情報処理センターで調べたところ,以下の複合故障が発見されました。(1)情報処理センターに設置されている本学代表のドメインネームサーバが機器障害で起動不能になった
(2)対外接続回線(兵庫教育大学-神戸大学間を接続している高速デジタル回線)の通信同期がとれなくなった
(3)学術情報センターのSINET(学術情報ネットワークのインターネットバックボーン)内の経路制御情報に乱れが発生した(1)について
ドメインネームサーバは,TCP/IP(インターネット)の通信において,通信相手を特定する(ホストの名称からIPアドレスを取得する)ために必ず参照されるサーバです。このサーバが停止すると,通常の方法でのコンピュータ間通信ができなくなります。このため,情報処理センターでは,学内各ローカルサーバのドメインネームサーバ参照順序変更,代替機の設置を行いました。これらの作業により,同日午後に学内通信は順次回復していきましたが,(3)の影響で対外接続は切断されたままでした。(2)について
NTTに調査・修理を依頼し,対外接続回線の接続に使用していたDSU(接続用機器)を交換・調整することで, 同日午後に復旧いたしました。(3)について
(1),(2)の修理作業終了後,対外接続回線の通信不良がSINET側ルータ(接続用機器)の不調であることが確定したため,ルータの再起動を学術情報センターに依頼しました。SINET内の経路情報の乱れが同日夕方までには復旧していたこと,ルータ再起動による影響範囲が広い(神戸大からSINETへ接続している約20機関に影響します)ことから,同日18:00にルータが再起動される予定でした。しかし,経路情報の安定に万全を期するため,明朝3/18(火)09:00にルータを再起動されることとなりました。これらの作業により,本学の学外通信は, 3/18(火)09:00に復旧いたしました。 *
昨年度末3/18(火)深夜に,学外から本学を対象としたクラッキング(安全なコンピュータシステムの利用に対する侵害行為;俗にハッキングともいわれます)の試みがありました。しかし,一般利用者パスワード流出などの実害はありませんでした。これに対応するため,一時ニュースサーバを停止させておりました。記事を読まれている方にはご迷惑をおかけいたしました。今回の攻撃は海外からと思われるもので,本学でも使用している電子ニュースの代表的なサーバ・プログラムであるINNのセキュリティホールを悪用しようとするものでした。本学のニュースサーバにも,パスワードファイル等のセキュリティ上重要なファイルや情報を,特定のメールアドレスに送信するような不正なコマンドを実行しようとした形跡が残されていました。
これに対処するため情報処理センターでは,ニュースサーバで動いていた不審なプロセスを停止させ, 送信待ちになっていたパスワード情報等を消去しました。また,INNを停止させ同種の攻撃に対する防御としました。その後,INNをセキュリティーホールが修正された新しいバージョンに変更し,電子ニュースの配信を再開しています。バージョンアップ後にも不正な制御コードがニュースサーバに送られてきましたが,処理前に検出し,不正利用の試みは成功しておりません。
日本人は安全に対する認識が低いとよく言われますが,コンピュータやネットワークに関しても同様であるようです。 本学もこのような攻撃対象となることがあるため,各利用者におかれましてもパスワード管理等について,なお一層の注意をお願いいたします。安全性に問題があるパスワードをお使いの方は,パスワードの変更をお願いいたします。変更方法は,HUNET NewsLetter 1996年7月号パスワードの変更についてに掲載されておりますので,ご参照ください。
安全性に問題がある名前として例が上げられているものについてご紹介すると,以下の通りです。(山口英:UNIXセキュリティ,pp.72-73,ASCII出版局,1993より)
・自分の名前 ・配偶者の名前 ・両親の名前 ・ペットの名前
・子供の名前 ・親しい友人や同僚の名前 ・好きなキャラクターの名前
・上司の名前 ・よくある名前 ・使用しているオペレーティングシステムの名前
・コンピュータホストの名前 ・自分の電話番号
・自分のライセンスプレートナンバー ・健康保険証の番号の一部
・だれかの誕生日 ・容易に入手できる自分に関する情報
・wizard,guru,gandalfのような名前
・使用しているコンピュータのユーザ名の形式を変えたもの(全部大文字とか2回重ねなど)
・英語の辞書にある言葉 ・外国語の辞書にある言葉 ・地名
・固有名詞 ・全部同じ文字のパスワード
・キーボードの文字の並びをそのまま使ったもの(qwertyなど)
・以上のパスワードの綴を逆にしたもの
・以上のパスワードの前後に数字を1つ付けたもの *
情報ネットワークを利用するに当たって生じたご質問やご要望は、電子メールでお寄せください。
宛 先 :q@info.hyogo-u.ac.jp記入事項:
- 氏名、所属、電話番号
- 使用端末機種、使用ソフトウエア、等
- 質問事項(なるべく具体的に)*